京都 火袋を上がっていく京町家リノベーション
- 越後突抜町の家 -
京町家の「通り庭」。
それは、玄関から奥の庭まで続く土間のこと。
「うなぎの寝床」と言うと、みなさん、なじみがあるでしょうか。
「通り庭」は京町家の炊事場として、長年、日々の暮らしを営んできました。
火を入れたおくどさんから上がる煙は、もくもくと大きな吹き抜け「火袋」へと包まれていきます。
見上げれば、その壁は一面「すす」だらけ。
幾年月にわたり炭素原子で構成された、殺伐とした存在感漂う「薄黒い壁」。
この京町家の「火袋」は、新建材の壁に覆われ、2階の物置に姿を変えていました。
しかし、そのことが幸いしたのか、とても良い状態で保存されていました。
今、この時を待ち望んでいたのかも知れませんね。
今回、ご紹介させていただく『火袋を上がっていく 京町家』。
玄関を入ってすぐのキッチンから、奥に広がるリビング。
存在感のある火袋の薄黒い壁を通り抜け、2階に上がる。
ライフスタイルの変化と共に間取りを変えていけるように、2階に広がるフリースペースはあえて壁を造らず。